VPN接続はOSの標準機能
VPN通信を行う場合、
- Windows
- macOS
- iOS / iPadOS
- Android
のいづれかを搭載した端末を使っていることがほとんどかと思いますが、そのいづれにもVPNの設定機能がOS標準機能として搭載されています。
VPN設定アプリは、これらの標準機能を「手軽にわかりやすく使えるように仲介」しているだけで、機能としては同じです。それなら、悪意のあるアプリを引いてしまうリスクを負うよりも、純正のものを利用した方がはるかに安全です。
各OSのVPNの設定方法は、VPN情報をまとめている筑波大学の「VPN Gate 学術実験サービス」にまとまっています。
無料VPN接続アプリのリスク
フリーWifiでVPNを使うという方は、無料での通信を少しでも安全にしたいという方でしょう。そうした方なら、VPNの通信に月額費用を払うなんて論外ではないでしょうか?そもそも、VPNサービスに通信料を支払うなら、WiMAXなどのモバイルルーターやポケットWifiを使ったほうがはるかに安全です。
そこで登場するのが無料のVPNサーバー情報取得とVPNサーバー設定をしてくれる「無料VPN接続アプリ」です。
これらアプリには、2つの機能を担っています。
- 有効なVPNのリストを取得
- OS標準機能のVPN設定を仲介して設定
特に問題なのが、VPNの接続先をアプリ側がピックアップする点です。
もしアプリが選んだVPNが悪意のある接続先だったとしたら、通信に一方的に広告を仕込まれたり、通信を盗聴したり、ユーザーに害をなすこともあります。
またアプリが行うVPN設定に問題があることもあります。
最近では、1億ダウンロードを超えるVPNアプリ・SuperVPNに脆弱性があり「サーバーに関する情報を暗号化しているにもかかわらず、通信データの中に暗号の鍵を埋め込んでしまっていた」ことが指摘され、Google Playストアから削除されたという事件がありました。
Androidの無料VPNアプリは危険? ダウンロードした人は削除を
このように、無料のVPNアプリは多くの点でリスクが高いと言えます。OSのVPN設定はそこまで難しいものではないので、OS標準のものを使うようにしましょう。
残る問題はVPNサーバーの選択
自分でVPN設定ができるようになったら、あとは「どのVPNサーバーが安全か?」という点が問題になります。
ここに関しては先ほどの記事にも指摘がある通り「自分が組み上げたVPNサーバー以外は全て有害」と見なすのが健全です。しかし、ほとんどの方がVPNサーバーってなに?という感じでしょうし、せっかく無料で使えるフリーWifiなのに、お金をかけてサーバーをレンタルするのは意味がわかりません。
その点を考えると、セキュリティの高いVPNサーバーを提供している有料VPNも視野に入ります。有料VPNは月額200円ほどで使えるものもあるため、少しでもセキュリティを高めたいのであれば、利用するようにしましょう。
フリーWifiでは無料VPNアプリではなくOS標準機能を使うメリットや、無料VPNアプリの危険性をみてきました。
フリーWifiを利用する際にVPNを経由させることでセキュリティを高めることは可能ですが、VPNの接続自体にセキュリティの問題があっては元も子もありません。無料VPNアプリを使っている方は、利用方法を見直してみてください。