下り実測値はどの機種でも50Mbps程度
WiMAXはモデルによっては下り1Gpbsのモデルがありますが、あくまで理論値であって実際には対応モデルであっても、通信環境が良いところでも50Mbps程度しか出ません。筆者は実際に5機種ほどのWiMAXルーターでテストしましたが、どのモデルでも速度は概ね30〜50Mbps程度でした。
その意味では、1Gbpsモデルでも220Mbpsモデルでも実際の通信速度はそこまで大きな違いがありませんので、最新モデルを買っても、旧機種にWiMAXのSIMだけを刺しても、速度は同じです。
WiMAXは使い放題だけど速度無制限じゃない
WiMAXが使い放題で宣伝していた関係で、速度制限がある現在でも「通信量も速度も無制限」と勘違いしがちですが、2020年現在、WiMAXは転送量は無制限ですが、速度には制限があります。いわゆる「3日間制限」です。
3日間制限は、直近3日間の通信量合計が10GBを超えると、「翌日から直近3日間の通信量合計が10GBを下回るまで」、18時から翌日2時までの通信速度が1Mbpsに制限するものです。
もちろん、1Mbpsになっても通信量制限はないので、いくらでも使い放題ではありますが、1Mpbsだと通信速度が遅いため使える転送量には限りがあります。
上り速度はあまり高速じゃない
WiMAXを検討する際には、下り速度が高速なことに目が行きがちですが、実はWiMAXは上り(アップロード)速度があまり高速ではありません。
上り速度は最大30Mbps(機種によっては10Mbps)となっていますが、実測では4〜5Mbpsほどしか出ません。下りが50Mbpsほど出るので、実に1/10ほどの速度しか出ないのです。
動画視聴やSNSなどでWiMAXを使う場合には、基本的には上り速度はそこまで高速である必要がないので問題ありませんが、オンラインゲームや仕事で使う場合は、この点に注意しましょう。
3日間制限(1Mbps制限)は使えなくはないが快適ではない
WiMAXを契約する上で一番不安なのが、この3日間制限です。
結論からいうと、格安SIMの高速通信オフ時のように「実施使えない」ということはありません。普通にネットニュースを読むくらいなら問題ありませんが、SNSの画像読み込みが遅かったり、動画再生がなかなか始まらなかったりと、快適でないことは間違いありません。
感覚的には「最低限ネットには繋がってる」くらいのイメージで、3日間制限中はスマホのテザリングを使った方がよっぽど快適です。
契約期間なし(2年縛りなし)のWiMAXがある
かつては、WiMAXは2年縛り、3年縛りが基本でしたが、現在はUQ WiMAXであれば契約期間なしで利用することが可能です。基本料金は高くなりますが、いつでも解約できるメリットがあります。
また、WiMAXレンタルサービスが充実してきているので、7日間、1ヶ月間といった短期で利用できるWiMAXレンタルを利用すれば実質契約期間なしでWiMAXを利用できます。
ですので、「2年縛りだから」「使い勝手が悪くても解約できない」といった理由で、WiMAXを敬遠するような環境ではなくなってきています。
WiMAXは建物の中が苦手
これは昔からですが、WiMAXは建物の中が苦手です。
都内でも、地下のカフェなどでは圏外になることがありますし、自宅でも窓際にルーターを置かないと電波が弱くなることがあります。筆者は10年ほどWiMAXを利用していますが、この10年で多少は改善されてはいるものの、スマホほど電波が入るわけではありません。
電波の入りは死活問題なので、ぜひ契約前にTry WiMAXを利用して、自分が使う場所で電波の入りをチェックしてください。
ホームルータータイプでも通信速度は変わらない
自宅の光回線の代替として選ばれるホームルータータイプですが、ホームルータータイプでもモバイルルータータイプでも「WiMAXの通信速度は大差はない」というのが実情です。
ホームルータータイプは見た目が大きく「自宅Wifi」としての利用を想定しているので、
- 電波をしっかり掴むのではないか
- パワーがあって速度が出るのではないか
と想像しがちですが、実際にはそこまで速くはなりません。
筆者も、ここ数年はWiMAXのルータータイプ自宅回線として使っていますが、10Mbpsくらい速くなったら良い方というイメージでしょうか。
有線LAN接続でも速度は変わらない = 速度面ではドックは不要
かつては、WiMAXルーターや通信端末側のWifi規格が古いことがあり、通信速度に規格上の上限がWiMAXの通信速度よりも遅いことがありました。Wifiの規格がIEEE 802.11bなどの時代です。
その環境では、WiMAXをクレードルに繋げて有線LAN接続をすることで、WiMAXのフルスピードを出すことが出来るというメリットがありました。
しかし、現状はWiMAXルーターもデータ送受信する側のスマホやPCも、54Mbps以上の速度に対応していることがほとんどなので、速度を改善する意味で有線LANにする(有線LANドックを追加購入する)意味はほぼありません。
自宅でWifiに接続する機器が多い場合は、有線LANクレードルを買ったり、ホームルータータイプにするメリットはありますが、速度面ではほぼないと言っても過言ではありません。