はじめに
楽天モバイルはあくまで携帯電話サービスなので、固定回線のように使う前提で提供されているサービスではありません。
本記事を参考に固定回線として楽天モバイルを利用した際に起こった事象すべてに対して、本サイトは責任を負えませんのであくまで自己責任にて利用してください。
楽天モバイルのUN-LIMITとは?
楽天市場が自社キャリア(携帯電話網)で提供するサービス(MNO)のプランで、楽天の自社サービス圏内であれば、
- データ通信無制限(ただし、1日10GBの上限がある模様)
- 国内通話かけ放題(Rakuten Linkアプリ利用時)
- 国内SMS使い放題(Rakuten Linkアプリ利用時)
という3つの「放題」が特徴のプランです。
2020年4月8日にサービスインし、300万人に対して月額料金を1年間無料にするキャンペーンも実施しています。
楽天モバイル・UN-LIMITとWiMAXの比較
まずはじめに、楽天モバイル・UN-LIMITとWiMAXの違いを比較してみましょう。
|項目|楽天モバイル・UN-LIMIT|UQ WiMAX| |—|:—:|:—:|:—:| |月額料金|3,278円|4,000円前後| |自社通信エリア|全国|東京・大阪など大都市| |通信制限|1日10GBを超えたらすぐに|直近3日間10GBで18-翌2時まで制限| |制限時の速度|1Mbps-3Mbps|1Mbps| |対応端末|楽天モバイル対応端末 or SIMフリー端末|WiMAX 専用端末|
大きな違いは、
- エリアの広さ
- 制限のかかり方
- 対応端末
となります。ここが自宅回線として使う際のデメリットでもあります。
自宅の固定回線なら楽天モバイル・UN-LIMITよりもWiMAXが良い理由
楽天モバイルには、1日10GBの実質上限がある
楽天モバイルが公式に発表している制限ではありませんが、ユーザーの報告によると1日10GB以上の通信をすると、1Mbpsから3Mbpsほどに通信速度が制限されます。
この実質制限に楽天モバイルは責める声もありますが、個人でスマートフォンなどで利用する範囲では1日10GBというのは「十分すぎる容量」なので、ほとんどのケースで問題とはならないでしょう。ただし、自宅の回線となると話は別です。
自宅の固定回線の場合は、1つの回線を複数人・複数台で利用するケースが多く、1日10GBの制限にすぐに到達してしまうこともあります。特に、PCやスマートフォンのOSアップデートは1GBから大きいもので10GBほどになるケースもあるので、すぐに制限にひっかかるでしょう。
それに対して、WiMAXの場合は「3日間で10GB」という制限はありますが、制限されるのは「18時から翌2時頃まで」で、それ以外の時間帯は通信量制限はありません。何GBでも高速通信ができます。
ルーターとして使える端末が少ない
楽天モバイルがこれだけ衝撃的な安さ(1年無料であることも含め)なのに、いまだに300万人の無料キャンペーンが終了しないのは、楽天モバイルに対応したスマートフォンやルーターなどの対応端末が少なく、実質「楽天モバイルのために端末を追加で購入する必要があるから」と言われています。
最近になって公開された対応端末リストでも、楽天モバイル(MNO)から発売されている端末以外ではほとんどが未対応となっていることがわかります。
ルーター端末の入手性が悪いとなあると、対応スマートフォンを購入してテザリングをすることになるので、ルーターを購入するよりも高額になります。
一方、WiMAXはルーターが中古市場も含めて格安で豊富に流通しているため、ルーターの入手性やコスパが高いです。
エリア範囲が狭い・弱い
筆者も楽天モバイルを利用してますが、自宅(都内23区)が楽天モバイルのエリアにバッチリ入っている場合は、思ったよりも楽天モバイルの電波は入ります。そして通信速度が落ちることもなく非常に快適です。
ただし、思ったよりも電波が入るのは「まだ狭い・楽天エリア内」限った話で、ご利用になる場所が楽天モバイルのエリア内とは限りません。
上記の表は両者のエリアの違いですが、楽天モバイルはパートナーエリアを含めたものです。
楽天も努力されているところでしょうし、10年以上サービスを展開しているWiMAXと比較するのは酷ですが、現状ではWiMAXとはエリアの広さが違います。また、電波の入りという意味では、エリアの広さと同じくらい「地下や建物内など細かいところでの電波の入り」も重要で、仮に、現在の自宅では圏内でも引っ越ししたら圏外になったということもありえます。
実際、筆者の自宅(都内23区)でも、楽天回線は電波が弱いのかの自宅内の場所によって圏外になることがよくあります。
テザリングだと同時接続台数が制限される
ルーターとして使える端末が少ないため、スマートフォンのテザリングを利用するとなると、同時接続台数が10台程度になってしまうため、複数人で複数台接続するとすぐに最大数に達してしまいます。
我が家でいうと、
- テレビ
- PSなどの固定ゲーム機
- Nintendo Switch * 2 (妻と2台)
- スマートフォン * 2 (妻と2台ずつ)
- PC * 3 (仕事用、サブノート、個人用)
は最低でも常時繋がっているため、同時接続10台では追加で何かを立ち上げたらすぐに埋まってしまいます。
その点、WiMAXの場合はホームルータータイプがあるため最大接続数も40台ほどまで拡張されますし、有線LANでWifiルーターを追加することもできます。
災害時などに弱いかもしれない
2011年の3.11震災の時などは、3台キャリアの携帯電話回線が逼迫して通話・通信ができなくなりました。そうした時に便利だったのが光回線などの固定通信網で、固定である分回線が太く、電話ができなくともSkypeやTwitterなどで安否確認できたという声も多く聞かれました。
楽天モバイルも携帯電話網なので災害時などに回線が逼迫すると通話・通信ができなくなる可能性があります。これはWiMAXも同じことが言えます。ただし、WiMAXは携帯電話網を全てデータ通信に使っているので、通話も利用される楽天モバイルよりかは通信網の逼迫が弱いかもしれません。
自宅の固定回線なら楽天モバイル・UN-LIMITよりもWiMAXがオススメな5つの理由を見てきました。
繰り返しになりますが、楽天モバイルはあくまで携帯電話サービスなので、固定回線のように使う前提ではありません。毎日数GBほどしか使わないような単身のライトユーザーなら楽天モバイルを自宅回線として使っても十分ですが、複数人の同居人がいる場合や複数台接続する場合はWiMAXにした方が安全でしょう。
また、楽天モバイルの「定額で格安」というサービス自体は素晴らしいものですし、まだまだサービスインしたばかりですので、サービスの充実を暖かい目でみていくことも大事かと思います。