楽天モバイルのカバー率はまだまだ低い
楽天モバイルは、新しい携帯電話キャリアのため、電波が届く範囲の割合を示す「カバー率」が低い状態でサービスをスタートさせています。要は場所によっては圏外になりやすいということです。
20年前ならまだしも、現在ではこの状態では携帯電話サービスとしては厳しいので、auに回線を間借りしている、それがパートナー回線エリアです。
パートナーエリアでも表示は「楽天モバイル」
楽天モバイルでは、楽天回線とパートナー回線を自動で切り替えるようにしています。
ユーザーがパートナー回線エリアに入ると、au回線のうちBand 18(800 MHz)に繋がります。ただし、表記上は「楽天モバイル」となるため、スマホのキャリア表示がauになるわけではありません。
なお、au回線のBand 18(800 MHz)は直進性の低く建物などを回り込めるプラチナバンドなので、圏外になり温くなります。
パートナー回線になる条件
パートナー回線に切り替わる条件は下記のようになっています。
楽天エリア外の場所
楽天の基地局がないため、基本的にパートナー回線になります。auによると、プラチナバンドでの人口カバー率は99%なので、相当な山奥などに入らない限り圏外になることは少ないでしょう。
楽天エリア内でも地下などの楽天基地局がない場所
楽天モバイルは、東京などの大都市からエリアを広げていますが、地下や建物の中などは、一つの基地局でカバーできる範囲が少ないため、個別に基地局を追加する必要があり、対応がどうしても遅くなってしまいます。
そうした場所のために、楽天モバイルエリア内であっても、地下などの特殊な場所はパートナー回線を利用するようになっています。
ただし、楽天モバイルではどこの地下やどの建物がパートナー回線になるかは公開していないので地下や建物での繋がりやすさは未知数です。
楽天モバイル回線が圏外になるケース
楽天エリアで楽天回線を掴めない時
楽天モバイルは直進性の高い1,800Mhz帯(Band 3)でしか免許を持っていないため、楽天モバイルエリア内でも、建物内や高層ビル群の隙間などで繋がりにくくなります。ドコモやauでは、プラチナバンドや基地局を増やすことでそこをカバーしているわけですが、楽天モバイルはスタートしたばかりですからまだ十分ではないのです。
ここが誤解しがちなのですが、そうした場所は「あくまで楽天エリア」なのでパートナー回線にはなりません。「楽天モバイルが圏外になったら、au回線に切り替わる」というわけではないのです。楽天エリア内ではau回線は掴みません。
端末がBand 3もしくはBand 18を掴まない時
楽天モバイルは、SIMだけ契約して持っている端末で利用する方が多いため、「au回線エリアなら繋がるのに楽天は繋がらない(または、その逆)」という声をよく耳にします。このケースでは、端末が楽天モバイルとパートナー回線のバンドに対応していないケースがあります。
例えば、端末が楽天モバイルバンドであるBand3にしか対応していないと、楽天エリアから出るとパートナー回線バンドであるBand 18を掴めないため、圏外になります。
逆に、端末がBand 3に対応していないけどBand 18には対応している場合、パートナー回線エリアから楽天エリアに入ると圏外になります。
なお、こうした問題は楽天モバイルの販売端末では基本的に起こりません。
パートナー回線は順次終了していく
2020年11月に楽天モバイルに提供しているパートナー回線をエリアによって順次終了するという発表があり、楽天モバイルユーザー界隈が大騒ぎになりました。
楽天モバイルとKDDIのローミング契約、東京都内は来春終了――「圏外で不満」の声にはMVNO端末を貸与
実際、11月中旬から順次終了になっていったようで、圏外になったというユーザーの声は少なくなく、楽天モバイルでもMVNO端末を貸与するという対策を取っています。
ただし、こうした問題があるから、すぐに「楽天モバイルはダメだ」と判断するのは時期尚早でしょう。例えば、携帯電話を使うのが通勤エリアぐらいのオフィス勤務の方であれば、そこまで大きな影響はないと思われます。もし、圏外の率が高くなってしまったのであれば、現状ではMVNO端末を借りれば対処できます。
そもそも楽天とauのパートナー回線契約は、人口カバー率に応じて順次終了していく契約になっているそうなので、ここからは楽天モバイルの本気が見えてくるところです。
「まだまだ主回線には厳しい」というのはごもっともですが、だから1年間は基本料金無料なのでしょう。まずは、キャンペーンが終了する頃までに楽天モバイルを入れたサブスマホを持ち歩いて、無料キャンペーンが終わったら切り替えの判断をするのがベストでしょう。